梅干しにまつわる諺

~始めに~
古来、味噌が日常の解毒と「栄養」とすると梅干しは「薬」の位置付けかも。カモシカでは6月に無農薬の梅を手に入れ、古式製法の「なずなの塩」で仕込みます。定食の梅ソースは自家製梅干し。味噌ほどでは無いですが梅干しにも受け継がれて来た諺と言い伝えがあります。

「梅はその日の難(なん)のがれ」
朝、梅干しを食べれば、一日無事に過ごせるという意味。梅干しには流行病を防ぎ、疲れをとる効果があると昔の人は知っていた。

「梅干しは三毒を消す」
梅干しが「食べ物の毒」「血の毒」「水の毒」を消すの意。食中毒や水あたりに効くと。昔、旅人は、旅先の熱病や風土病に罹らないように梅干しを「薬」として携帯。江戸時代の銀山では梅の酸を塗った防毒マスクが活躍。発酵物が持つ強力な解毒力♪

「梅干しと友達は古い程良い」
古い友人ほど気心が知れ信頼できることを、古い梅干しの熟れた味と効能の良さに例えた諺。奈良県の中家の1576年に漬けられた梅干しが現存する最古のものらしい。ちなみに梅干しの効能とは、疲労回復、唾液分泌、抗菌と防腐、解熱など♪

「梅干が腐るとその家に不幸が起きる」
梅干しには食中毒や伝染病の予防と治療に効果があり「梅干しは切らしたり腐らせてはいけない」とされた。手順を踏んで漬ければ元々殺菌作用の強い梅は最高の保存食となる。それがカビたり腐るのは何かがおかしいと昔の人は捉えた。

「梅は食っても核(さね)食うな中に天神寝てござる」
生梅の核には毒素がある。祟りを怖れられた天神様=菅原道真が梅を愛したことから生まれた諺。でも梅の核にあるアミグダリンなどの毒素は梅干しとして漬けることで無害化していくらしい。ここにも発酵の解毒効果♪

「梅を望んで渇きを止む」
梅の実は想像するだけで唾が出てのどの渇きを止める。戦国時代、梅干しは見ると唾液が出て脱水症状や息切れを防ぐ重要な陣中食だった。また唾液中の微生物は口の中を浄化するらしい。

「塩梅」
味加減のよいことを表す料理用語。元々は梅干しよりも漬ける過程で出る【梅酢】の方が酸味と塩味で料理の味を整える調味料として重宝された。その加減のよいことが「よい塩梅」。また梅酢は傷口の消毒、金属の錆防止にも使われた。東大寺の大仏の下地も梅酢♪

~終り~
梅干しも漆同様に梅が本来持つ酵素の反応による面も大きい為、発酵では無いとする説も。ただ梅酢が上がる過程など随所に微生物が関わる為、まぎれもない発酵食と捉えます。