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発酵の世界
2019.05.07

オリゼの森の中で

“もしかして
発酵食品はオリゼの森の中で
命を育まれているのかも♪”

日本の発酵食品の製造に欠かせない麹菌「ニホンコウジカビ」は、学名「アスペルギルス・オリゼ」という美しい名前を持っています。写真で見ても、まるで大きな花のように、木のように不思議な存在感です。

オリゼは米や麦や豆に生えるカビの一種で、腐敗と発酵の両方を司る。甘酒、日本酒、焼酎、泡盛、醤油、酢、みりん、味噌、塩辛など幅広く働く存在。

数ある麹菌の種類の中でも味噌、醤油、日本酒、医薬品にまで活躍するオリゼは2006年に日本醸造学会で日本の「国菌」に指定されています。

“もしかして
この世界にオリゼ達が居なければ
私達の食卓は随分と寂しいものに
なってしまうのかも♪”

アスペルギルス・オリゼをはじめとする麹菌達は自らが生成する酵素の働きによりエネルギーを得て成長し、子孫を残していく。アスペルギルスが麹カビ属を表し、オリゼとは「稲」のこと。

他にも、アスペルギルス・ソーエ(醤油で活躍)、アスペルギルス・ニガー(いわゆる黒麹で焼酎やクエン酸製造で)、アスペルギルス・アワモリ(文字通り泡盛で使用)等、仲間はたくさん。

彼・彼女ら「麹カビ属」が生成する酵素は例えば以下。

【アミラーゼ】
多糖類のデンプンをヒトが甘味を感じる単糖類に分解。オリゼはアミラーゼの力が非常に強い種。
【プロテアーゼ】
アミノ酸の多数結合のタンパク質をヒトが旨味を感じるシンプルなアミノ酸に分解。
【リパーゼ】
脂質を分解。

麹カビ属は、ヒトが甘みや旨みを感じるように食材の分解を行ってくれるから、古来日本人は大切に共生し、様々な発酵食文化を産みだして来たのですね。

“もしかして
昔のヒトは見えないものを
見る力をもっていたのかも♪”

麹は中国でカビの意。

日本での読み方「こうじ」の成り立ちは以下。米を噛んで吐き出してお神酒をつくっていたことを表す「噛み成す」から発酵を表す「醸す(かもす)」という言葉が出来た。

その「かみなし」と同源の「かむなし」「かむたち」から「かびたち」となり最終的に「こうじ」となったという説が有力という。

カビを麦に生やした中国に対し、原料に米を使った日本で「糀」=米の花という字も派生。まさに麹が育つ姿は花が咲く様です。

また、日本の発酵食を支えるニホンコウジカビ=アスペルギルス・オリゼはアスペルギルスが「カビ菌」を、オリゼは「稲」を表す。つまり米に発生するカビのことで麹を「糀」=米に咲く花とも書く由縁。

それにしても顕微鏡のない時代に、なぜ昔のヒトはオリゼが創る「微細な花畑」の存在を知っていたのでしょう。とても不思議です。

麹(アスペルギルス・オリゼ)の作り方は2パターン
①【イチから作る】
培養した麹カビの胞子(=種麹)を蒸した米や麦に散布。奈良時代には蒸した米に麹菌をふりかけての純粋培養が出来ていた記録がある。
②【あるものを増やす】
上記で製造した麹から良質なものを蒸した材料に加える「共麹・友麹」という方法。

麹の使い方は3パターン
①【イキイキ活躍モード】
麹菌を素材に定着させる為に生きた麹菌を用いる。作り方の1つ目「種麹を作る時」等で使われる方法。
②【ちょっとお休みモード】
繁殖した麹を加水や加温で停止させて、次の発酵工程に移る使い方。日本酒、焼酎、醤油のもろみの前段階での活用はこちら。
③【完全お休みモード】
麹菌が生成した「酵素」だけを用いる味噌、甘酒、みりん。

日本の麹カビ(オリゼ)を使った発酵食品は、その特性を熟知した上で培われた精度の高い文化です。

そして「オリゼ映画化」
麹カビ「アスペルギルス・オリゼ」が醤油や味噌、酒を育む過程などを映し出したドキュメンタリー映画が「千年の一滴」。「世界遺産登録の和食の魅力はまだほんの一部しか光が当たっていない」と語られます。

アスペルギルス・オリゼ=ニホンコウジカビは数ある麹菌の中でも古来から日本の発酵に欠かせないものとされて来た種。

“もしかすると、
私達は昔も今も、そしてこれからもずっと
「オリゼの森の中で」生み出される奇跡に
魅了され続けるのかも♪”

「オリゼの森の中で」完